暗号資産(仮想通貨)投資を行っていると「エアドロップ」や「エアドロ」という言葉を耳にすることがあります。
この「エアドロップ(AirDrop)」とは、暗号資産(仮想通貨)のプロジェクトや関連サービスによる無料のトークン配布のことを指し、近年ではエアドロップを専門に扱うコミュニティサイトが立ち上がるなど盛り上がりを見せています。

この記事では、暗号資産(仮想通貨)投資を始めたばかりの方や、エアドロップを受け取りたい方に向けて基本的な情報と過去のエアドロップを紹介していきます。

エアドロップとは?

エアドロップとは、主に暗号資産(仮想通貨)のプロジェクトがユーザーに無料でトークンを配布するマーケティング手法として知られています。
特定の関連銘柄の保有者やウォレット利用者に対して無料のトークン配布を行うことで、新規発行したばかりのトークンの知名度向上や、コミュニティの拡大を図ります。
エアドロップを受け取るユーザーは発行されたばかりのトークンを無料で受け取れることができ、トークンの知名度が向上することでトークン価格が高騰する可能性もあり、プロジェクトとユーザー双方にメリットのある仕組みとなります。

また、エアドロップの実施によりトークンの市場の流通量が増加し、流動性の向上(取引しやすくなる)が図れるという効果もあります。

エアドロップの種類

エアドロップには、参加方法や受け取り方法でいくつかの種類に分けることができます。
エアドロップを行うプロジェクトの目的によって参加方法や配布方法に違いがあるので詳しく見ていきましょう。

定期的なエアドロップ

エアドロップの中にはコミュニティへの参加者に対して定期的なエアドロップを行うものがあります。継続的にトークンを配布することで、ユーザーの関心を高めコミュニティ全体の成長を促すことができます。
また、特定のトークン保有をエアドロップの条件とすることで、条件のトークンを持ち続ける動機付けと、市場での需要拡大を促すきっかけとすることができます。

定期的なエアドロップの例としては、ワールドコイン(WLD)が挙げられます。ワールドコイン(WLD)ではOrb認証によりWorldcoin Walletを作成することで、定期的にワールドコイン(WDL)を受け取ることが可能です。リリースから1年あまりで5,500,000以上のユーザーが参加しており(2024年6月時点)、コミュニティの拡大に成功した事例といえます。

プロジェクトの立ち上げに伴うエアドロップ

新しい暗号資産(仮想通貨)プロジェクトが開始される際にエアドロップが行われることがあります。エアドロップはプロジェクトの認知度向上や、ユーザー基盤を迅速に拡大したりするために行われ、エアドロップを受け取ったユーザーをプロジェクトのサービスに誘導するためにも用いられます。

SNSなどを通じで配布が行われることもあり、比較的簡単に参加できるエアドロップですが、受け取りウォレットの秘密鍵などを聞き出し、資産を抜き取られるという事案も発生しています。
立ち上げ間もないプロジェクトはSNSのフォロワーやサービス内容から悪質なものを見分けるのが難しく、こうしたエアドロップ参加時は自分の資金を守る意識をもつことが大切です。

過去には、ボバネットワーク(BOBA)の立ち上げ時にオーエムジー(OMG)保有者へエアドロップが行われるなど、国内取引所でも扱われる身近な銘柄でエアドロップが行われていました。

参加型エアドロップ

参加型エアドロップは、海外ではInteractive AirDropともよばれており近年では主要なエアドロップ方法となっています。
参加型エアドロップでは、トークンやウォレットの保有以外にも特定のアクションを行うことでエアドロップ対象となることが可能で、エアドロップ獲得に必要なアクションのことを「タスク」と呼びます。
タスクには様々な種類があり、公式SNSのフォローといった簡単なものから、エコシステム上で一定の取引を行うなどといった、ある程度の元手資金が必要なものもあります。

タスクの達成条件難易度が高いものでは稀に高額なエアドロップが実施され、過去にはアービトラム(ARB)が最大で1ユーザーあたり10,250 ARB(配布当日の終値換算で1,772,138円)のエアドロップを行ったことで話題となりました。

安全にエアドロップを受け取る方法

エアドロップは無料でトークンを受け取ることができる仕組みですが、詐欺やハッキングのリスクについても考えなければいけません。
特にウォレットを接続する必要があるエアドロップの場合、マルウェアやハッキングによってウォレット内の資産が詐取される場合があります。

エアドロップに参加する際には、他の暗号資産(仮想通貨)が入っているメインのウォレットとは別に専用のウォレットを利用することが推奨されます。また、個人情報の入力が必要なエアドロップでは、名前や生年月日から推測されそうなパスワードや秘密鍵の設定は避け、パスワードの使い回し等も注意しましょう。

過去の主要なエアドロップ

過去には日本国内で取引されている主要な暗号資産(仮想通貨)でもエアドロップが実施されました。

フレア(FLR)

フレア(FLR)は2020年12月にFlare Foundationからエアドロップ実施が発表された暗号資産(仮想通貨)です。2020年12月時点のエックスアールピー(XRP)保有者に対して2023年1月に配布が行われました。
初回のエアドロップ以降は「デリゲート」と呼ばれるプロバイダーに対する投票に参加することで、デリデート報酬として追加のフレア(FLR)を受け取ることができます。

シンボル(XYM)

シンボル(XYM)は2021年3月時点で、ネム(XEM)を保有していたユーザーに対して配布されました。ネム(XEM)のアップデート版として開発されたシンボル(XYM)は「オプトイン」と呼ばれる受け取りの意思表示によって、保有しているネム(XEM)と同数量のシンボル(XYM)が配布されました。

ボバネットワーク(BOBA)

ボバネットワーク(BOBA)は2021年11月にオーエムジー(OMG)のネットワークサービス終了に伴い、オーエムジー(OMG)の代替トークンとしてエアドロップが行われました。
現在、オーエムジー(OMG)上の機能やサービスはボバネットワーク(BOBA)に引き継がれれています。

エアドロップに関するよくある疑問

ここでは暗号資産(仮想通貨)のエアドロップに関するよくある疑問を解説していきます。

エアドロップは安全ですか

暗号資産(仮想通貨)のエアドロップは基本的に無料でトークンを獲得できることから、自己資金を使った一般的な投資と比較して安全に利益を生むことが可能です。
しかし、ウォレット情報の流出や、DeFi上でのマルウェア感染といったリスクもあるため、参加するエアドロップの安全性については都度確認する必要があります。

エアドロップに税金はかかりますか

エアドロップで獲得した暗号資産(仮想通貨)は獲得時のレートや売却時に発生する利益によっては所得税(雑所得)の申請が必要になります。
詳しい計算方法や最新の情報について詳しくは管轄の税務署・税理士等の専門家、国税庁タックスアンサーを参照してください。

税金の申告や支払いを怠ると、延滞税、無申告加算税、重加算税が課せられる場合もあるので、エアドロップ獲得時の税金についてしっかり把握しておきましょう。

エアドロップの情報はどこで集めますか

エアドロップは主に暗号資産(仮想通貨)のプロジェクトによって行われており、XやTelegram、Discord上で情報が発信されています。
エアドロップの獲得を目的としたプラットフォームも存在しており、最新の情報を取得することができますが、中には悪質なプラットフォームやエアドロップ詐欺の情報もあるため、エアドロップの情報を集める際には自身での精査も必要です。

まとめ

エアドロップは無料でトークンを獲得できるため、低リスクで暗号資産(仮想通貨)に投資することが可能です。
さまざまなプロジェクトでエアドロップが実施されているため、参加方法やタスクの確認などを積極的に行う必要がありますが、過去にはアービトラム(ARB)が最大で1ユーザーあたり10,250 ARB(配布当日の終値換算で1,772,138円)のエアドロップも実施されました。

うまくエアドロップを活用することで利益をだすことも可能ですが、悪質なエアドロップや詐欺、ハッキング等に気を付けて行いましょう。

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