「暗号資産(仮想通貨)でアービトラージはできるの?」

「アービトラージって何?」

「気になるけどやら方がわからない…」

暗号資産(仮想通貨)の取引をしている方にはこういった考えを持つ方もいるかもしれません。

この記事では、アービトラージ(裁定取引)の基本的な考え方と、実際に行う上で必要なステップを解説していきます!

アービトラージ(裁定取引)とは?

アービトラージとは既存の株式取引や為替取引の場面でも広く用いられる取引手法です。証券会社や取引所間での価格乖離が発生した際に取引を行うことで乖離分の価格差を利益にすることが可能です。


例:

取引所Aのビットコイン価格が売値400万円・買値401万円

取引所Bのビットコイン価格が売値402万円・買値403万円

このとき、取引所Aで1BTCを購入して取引所Bで1BTCを売却すると差額の1万円が利益となります。

実際には急激なレートの変動や、取引・出金手数料などで差額がそのまま利益になるのは難しいですが、取引そのものは極限までリスクを減らして行うことが可能です。

株式市場や為替市場でも行うことは可能ですが、市場の成熟によって十分な取引量と流動性があるため乖離が発生しにくくなっています。

暗号資産(仮想通貨)取引は市場が未熟なため、この価格乖離が頻繁に発生しています。

各取引所が提供しているAPIを用いることでより正確でスピーディーなアービトラージ(裁定取引)を行うことが可能です。

アービトラージイメージ

アービトラージ(裁定取引)のメリット・デメリット

メリット

暗号資産の取引は他の金融商品と比べても高いボラティリティが発生しやすいため購入した暗号資産の価格が大きく下落してしまうというリスクがあります。

アービトラージ(裁定取引)は相場状況に関わらず、取引所間の乖離を狙った売買を行うため理論上は最低限までリスクを回避することが可能となります。

デメリット

アービトラージ(裁定取引)のデメリットとしては、低リターンであることが挙げられます。相場の大きな変動時には乖離が大きくなる場合もありますが、基本的に乖離は非常に小さな幅でしか発生しません。1BTCあたりの乖離が100円の時に1万円の利益を出すには100BTC分の取引が必要となるため、単純な売買と比較してリターンが少ないという特徴があります。

例に挙げたビットコイン取引の場合では、取引所AとBの乖離が1万円発生していますが実際の乖離額は一定ではありません。乖離が小さい場合は手数料で収益がマイナスになってしまいます。

アービトラージ(裁定取引)の始め方

アービトラージ(裁定取引)は取引所間の乖離を狙うため、最低でも2つ以上の取引所を利用する必要があります。利用する取引所が多いほど乖離発生のチャンスや選択肢が多くなります。

アービトラージ(裁定取引)の中にも種類があり、取引所間でビットコインの送金を行うパターンと、事前に取引所に同量の暗号資産と円を入金しておく必要があるパターン、デリバティブ取引による反対売買を行うパターンなど他にも方法があります。ここでは基本的な取引所間で暗号資産の送金を行う方法を紹介します。

上記に挙げた取引所Aと取引所Bの例を使うと、

取引所Aのビットコイン価格が売値400万円・買値401万円

取引所Bのビットコイン価格が売値402万円・買値403万円

このとき取引所Aで1BTCを購入、取引所Bのウォレットへ送金し購入時の401万円よりも売値が高いことを確認して売却するというシンプルな手順です。

この方法はシンプルで簡単ではありますが、送金中のレート変動というリスクが存在します。ビットコインのブロック生成は平均で10分間隔となっているので乖離のタイミングとネットワークの混雑状況を確認しながら行う必要があります。

事前に各取引所に同量の円とビットコインを保有しておくという方法もあります。送金時間を気にせず、同じタイミングで購入と売却ができるのでスムーズな取引が可能ですが、実際に行うには利用する取引所の数だけ必要な資金が増えてしまうので個人で行うには現実的ではありません。

アービトラージ(裁定取引)の注意点

アービトラージ(裁定取引)はトレードスキルが不要で初めての方も取り組みやすい手法ですが、デメリットでも述べた通り手数料や乖離の幅によっては収支がマイナスになってしまう手法です。

国内の取引所を利用するとき、サービスによる違いはありますが一般には取引や入出金の際に手数料が発生します。タイミングをよく見極める必要があるので、決して勝率100%というような手法ではないというのを理解する必要があります。

ネット上にはアービトラージ(裁定取引)ツールも流通していますが、実態はAPI情報から不正出金を行うなどの詐欺商品も存在します。SNSを通じて「ノーリスク」や「元本保証」を謳い販売を持ちかける業者も存在するので注意が必要になります。

まとめ

この記事ではアービトラージ(裁定取引)の概要から注意点までご紹介しました。
アービトラージ(裁定取引)は初心者でも簡単に行うことが出来る取引方法ですが、条件次第では損失が発生するということを忘れてはいけません。

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