ビザンチン将軍問題は直接連絡を取り合うのが困難な当事者が直面する合意形成問題の難しさを論じる一つのゲーム理論です。ブロックチェーンを利用することでその問題を解決する事ができると言われています。

ビザンチン将軍問題1

なぜビザンチン将軍問題と言う名前なのかでしょうか。その名前はヨーロッパに実在したビザンチン帝国から来ています。ビザンチン帝国の将軍たちはそれぞれ部隊を率い、ある都市を包囲し、攻撃しようとしています。作戦を成功させるために、すべての部隊が同時に攻撃を仕掛けなければならず、兵力が不足した場合は敗退するという状況です。 

ビザンチン将軍問題2

 しかし、敵に侵攻の意図を隠すために、将軍たちは煙と火を使ってコミュニケーションがメインになります。使者を送ることができるが、敵に捕まったり、殺されたりする危険性があります。また、各将軍に誤解を招くような情報を送るスパイがいるかもしれないし、その情報の信憑性を確認する方法もありません。

では、勝利を確実にするために、将軍たちはどのように戦略をコミュニケーションを取ればいいのでしょうか。

非中央集権の問題

ビザンチン将軍問題は、分散型システムで発生する問題です。なぜなら、信頼できる情報源が存在しないため、他のメンバーから受け取った情報は事実であるか、信頼できるかどうかを検証する方法がないからです。

 中央集権型システムでは、中央管理者(権威者)が各メンバーに配信する情報が事実であることを保証するため、不正行為やネットワーク全体に誤った情報が広まることを防ぐことができます。このシステムにおいて信頼性は効率性のために犠牲となるが、ビザンチン将軍問題に直面しなくて済むのです。しかし、中央集権型システムは管理者自体が腐敗しやすい弱点があります。

ビザンチン将軍問題を解決するためにはどうしたらよいの?

管理者がいない非中央集権システムの中で、ビザンチン将軍問題を避けるようにはどうしたら良いのでしょうか。ブロックチェーンでは次のように問題を解決しています。

将軍の代わりにブロックチェーンシステムに繋がっているコンピュータであるノードがあります。これらのノードはシステムの現在の状態についてコンセンサス(合意)に達する必要があるのです。つまり、システム障害を回避するために、多くの参加者またはノードが同じアクションに合意して実行する必要があるという事になります。

ブロックチェーンについて解説した記事は以下のリンクからご覧頂けます。

ブロックチェーンの基礎知識・暗号資産(仮想通貨)取引のポイントをわかりやすく紹介

耐ビザンチンフォールトシステムとは

耐ビザンチンフォールトシステムは、一部のノードが悪意を持って行動したり、通信に失敗したりしても、ブロックチェーンが動作し続けることを保証するシステムです。

ブロックチェーンシステムを使った代表としてビットコイン(BTC)を例に解説すると、悪意ノードが無効なトランザクションを送信したり、二重支払を行ったりといったビザンチン将軍問題から発生しうるタイプの障害に耐えるように設計されています。

ブロックチェーンが耐ビザンチンフォールトシステムを取り入れるためのコンセンサス・アルゴリズムをプルーフ・オブ・ステークやプルーフ・オブ・ワークと呼びます。

これらのシステムは100%障害がないわけではないですが、ブロックチェーンネットワークの安全性を確保するために、常に改善と革新を行っています。

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