ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、暗号資産(仮想通貨)同士の影響力を見比べる一つの指標として「ドミナンス」(市場占有率)があります。市場全体において、どれくらいの規模で取引が行われているかを把握することは、暗号資産(仮想通貨)取引では重要です。

この記事では、ビットコイン(BTC)やその他のアルトコインにおいて、ドミナンスが与える影響を解説します。

ドミナンスイメージ

ドミナンスは市場占有率を示すもの

暗号資産取引

ドミナンスは市場における占有率を示す指標であり、暗号資産(仮想通貨)取引を行う際の参考情報として正しく理解しておく必要があります。

ここでは、ビットコイン(BTC)におけるドミナンスも含めて解説します。

購入のタイミングをつかむ参考指標

「ドミナンス(Dominance)」とは、「市場占有率」を指しています。暗号資産(仮想通貨)市場全体における、銘柄ごとの占有率が何%かを時価総額で算出します。

例えば暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額が100兆円で、ビットコイン(BTC)の時価総額が30兆円だった場合、ビットコイン(BTC)のドミナンスは30%となります。暗号資産(仮想通貨)市場全体に占める各銘柄の時価総額の割合がドミナンスであり、市場における占有率を見れば、どの暗号資産(仮想通貨)が人気であり、投資が集中しているかが一目で判断できるはずです。

また、暗号資産(仮想通貨)の価格が上がればドミナンスは上昇し、反対に価格が下がればドミナンスは低下します。

たとえば、ビットコイン(BTC)のドミナンスが急落し、反対にドミナンスが急上昇しているアルトコインがあれば、そのアルトコインに資金が流れてきている傾向を捉えることができ、相場を予想する上での判断材料のひとつとして活用することもできます。

ビットコイン(BTC)のドミナンス

暗号資産(仮想通貨)市場において、ビットコイン(BTC)は時価総額で首位を占めるため、大きなシェアを獲得しています。2021年10月現在でビットコイン(BTC)の時価総額は100兆円を超えており、大きな存在感を示していることが分かります。仮に暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額が1000兆円で、ビットコイン(BTC)の時価総額が100兆円であれば、ビットコイン(BTC)のドミナンスは10%となります。

ビットコイン(BTC)は発行上限枚数が決まっているため、価格が上昇することによって、暗号資産(仮想通貨)市場におけるビットコイン(BTC)のドミナンスも上昇します。

逆に、ビットコイン(BTC)の価格が下落すればドミナンスは低下し、アルトコインに注目が集まっていると判断することが可能です。 ドミナンスはあくまでほかの暗号資産(仮想通貨)と比べて捉えられる指標であるため、単独で判断できるものではありません。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは?

ドミナンスの推移

ビットコインイメージ

ビットコイン(BTC)のドミナンスについて理解をするには、これまでの推移を把握しておくとよいでしょう。

ここでは、ドミナンスを通じてどのようなことが分かるのかを解説します。

ドミナンスのサポートライン

ドミナンスは時として、サポートラインの目安として利用される場合があります。サポートラインとは下値支持線とも呼ばれるものであり、その価格より下落しないだろうと多くの人が予想する水準で、その水準ではある程度買い支えが入りやすく、価格が下がりにくくなると予想される水準のことです。ドミナンスがある値で何度も反発している場合、また同じ値まで下がった場合に反発すると推測し、試し買いをするのもドミナンスを利用した戦略の1つでしょう。

ビットコイン(BTC)のドミナンスをみると、2017年までは基本的には80%以上で推移し、80%を割り込むと反発をみせていました。その後2017年6月に40%を割り込んで以降は、2022年現在まで40%〜70%未満での推移となっており、70%付近になると下がり、40%割り込むと反発するような動きでした。昨年からは大きな反発もなく年間通してほぼ40%近辺での推移となっています。近年ではアルトコインの増加によってビットコイン(BTC)のドミナンスは低下傾向にありますが、依然として暗号資産(仮想通貨)市場全体における存在感として大きなものがあります。

そのため、ビットコイン(BTC)のドミナンスはほかの暗号資産(仮想通貨)の価格に影響を与える部分が大きく、注目すべきポイントだといえるでしょう。

アルト・シーズンについておさえよう

「アルト・シーズン」とは、アルトコインのパフォーマンスが相対的にビットコイン(BTC)を上回ることを指します。つまり、アルトコイン主導で相場が形成されるタイミングのことです。

アルト・シーズンは、ビットコイン(BTC)のドミナンスが低下しているときに訪れる傾向があります。ビットコイン(BTC)のドミナンスが急落し、反対にドミナンスが急上昇しているアルトコインがあれば、そのアルトコインに資金が流れてきている傾向を捉えることができ、相場を予想する上での判断材料のひとつとして活用することもできます。

新たにアルトコインが誕生したり、アップデートが行われたりする時期には、ビットコイン(BTC)を保有していた投資家がビットコイン(BTC)を売却してアルトコインを購入する流れが見られる場合があります。ビットコイン(BTC)は時価総額が大きくドミナンスの割合も大きいため、他のアルトコインのドミナンスに影響を与える面があるのです。

暗号資産(仮想通貨)は一定のサイクルを繰り返す

ドミナンスはほかの暗号資産(仮想通貨)と相対的に表される指標であるため、常に一定というわけではありません。拡大と循環の一定のサイクルを繰り返していく傾向が見られます。

たとえば、ビットコイン(BTC)におけるドミナンスの拡大期では、下落から上昇に転じて価格も上昇します。その後、数ヶ月にわたって拡大トレンドが続くことが多いのです。

一方で、循環期においてはドミナンスが上昇から下落に転じて、価格は上下を繰り返す傾向が見られます。市場での資金循環が発生しているタイミングであり、いわゆる調整期間として捉えられます。

暗号資産(BTC)取引を行う際は、まずはしっかりとサイクルを見極めることが大切です。売買のタイミングを見誤ってしまうと、思うように取引を進められなくなる恐れがあるので注意しましょう。

ドミナンスをチェックするときのポイント

ドミナンスイメージ2

投資を行ううえで、ドミナンスをチェックするときのポイントをおさえておきましょう。ドミナンスがどのように変動しているかを見極めることが重要です。

ドミナンスが大きく変動している場合

ドミナンスが大きく変動しているときは、一般的に資金が大きく動いていることを意味しています。
しかし、チャートの計測期間によって変動幅が異なることから、短期と長期では意味合いが違うため注意が必要です。

あくまで自分の投資スタンスに合わせて計測期間を設定することが大事であり、時間軸と照らし合わせたうえでどのような動きをしているのかを判断してみましょう。
また、ドミナンスが大きく動いているときは価格の変動も激しいので、普段以上に資金管理が重要になります。

アルトコインのドミナンスが変動している場合

アルトコインのドミナンスの変動は、個別の事情に左右される面が大きいので一様ではありません。新たなアップデートやハッキング被害など、ドミナンスが変動する事由はさまざまです。

そのため、暗号資産(仮想通貨)の銘柄ごとに状況を精査し、ドミナンスの変動がどのような要因で起こっているかを見極めることが重要といえます。関係性を探ることで投資の判断材料として捉えることができ、売買のタイミングを決めるきっかけとなるはずです。

まとめ:正しく価格サイクルを把握することが重要

暗号資産(仮想通貨)はそれぞれ時価総額が異なり、市場全体における占有率に違いがあります。市場占有率のことをドミナンスといい、市場がどのような方向に動いているのかを判断する一つの材料となります。

特にビットコイン(BTC)のドミナンスは、アルトコインに大きな影響を与える傾向にあるので、普段からチェックしておくことが大切です。 ドミナンスの変動は価格の変化と連動している面もあるので、暗号資産(仮想通貨)の取引を行ううえで重要なポイントであることをおさえておきましょう。

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