暗号資産(仮想通貨)に興味がある人であれば一度は「サトシ・ナカモト」という名前を聞いたことがあると思います。

彼自身はビットコイン(BTC)のホワイトペーパーの著者として名前を載せているのみであり素性については何も分かっていません。日本人風の名前であることから日本国籍か日系人であると予想されていましたが、世界中から我こそはという人物が名乗りを挙げており未だに正体は分かっていません。

今回はサトシ・ナカモトではないかとされる人物とその経歴についてまとめて紹介します。

ビットコイン作ったサトシナカモトの銅像

望月新一

望月氏は京都大学にて数学者として活躍する人物です。

少年期に日本を離れ、アメリカのプリンストン大学を卒業しています。望月氏を知る人からは「とにかく徹底的に何かをする。ゼロから理論を構築していくのが彼のスタイル」ともコメントされる程の研究者です。

2013年にアメリカの社会学者テッド・ネルソン氏にサトシ・ナカモトの正体だと指摘されましたが本人はこれを否定しています。

しかし、彼は元からメディアや会見に姿を現すタイプではなく、サトシ・ナカモトであるというニュースに対しても露出を嫌ったのではないかといわれています。

金子勇

金子氏は日本のエンジニアで、P2P型の通信方式を持たせたファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」の開発者です。利用者間でのデータ共有を目的としており、現在のブロックチェーン上のデータ伝達の先駆けといえる概念を作り出しています。

Winnyの普及と共に匿名性を悪用したデータの著作権侵害が頻発し、金子氏には著作権違反幇助の容疑がかけられました。5年間に及ぶ裁判の結果、最高裁で無罪が確定しましたが、2年後の2013年に急性心筋梗塞により亡くなっています。

サトシナカモトの顔1

サトシ・ナカモトが保有するといわれるウォレットには110万BTCが眠っていますが、現在売却などの動きはなく、サトシ・ナカモトが既に亡くなっているのではないかという説があることから、経歴や条件に該当する金子氏が有力な候補ではないかといわれています。

ジェド・マケーレブ

マケーレブ氏は、一時世界最大の暗号資産取引所となった「マウントゴックス」を設立した人物です。マウントゴックス売却後は、リップルプロジェクトの共同設立やステラルーメン(XLM)の開発を行いました。

金子氏と同じく、2000年にP2Pアプリケーションの「eDonkey2000」を開発しており、暗号資産(仮想通貨)の基礎技術の研究開発に貢献しています。

マウントゴックスの設立については当初、暗号資産(仮想通貨)の取引を目的としておらず、トレーディングカードゲームの取引サイトとして機能していました。2010年にビットコイン(BTC)と米ドル(USD)の取引を処理可能なシステムを構築し、2011年に会社を売却しています。

現在、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に次ぐ人気を誇るエックスアールピー(XRP)についても開発と普及のために活躍しており、暗号資産(仮想通貨)のブームを作り出した人物といえます。

彼の絶大な功績と人気によりサトシ・ナカモト説が出ましたが、現在本人からは言及がなく真偽不明となっています。

クレイグ・スティーブン・ライト

ライト氏はオーストラリアのコンピューター科学者・実業家です。

ビットコイン(BTC)作成チームの中心人物で、自分がサトシ・ナカモトであると主張する人物であり、ビットコイン(BTC)原理主義を掲げています。2018年のハードフォークの際にはガバナンス方針についてビットコインABC(BCH)と対立しました。

彼がサトシ・ナカモトであると名乗る根拠には、ビットコイン(BTC)論文の公開前に自身のブログで同様の内容を公開していることが挙げられます。日本文化への造詣も深く、日本語名であるサトシ・ナカモトを名乗る理由にもなっています。

彼がサトシ・ナカモトであると公表した数時間後にオーストラリア連邦警察による家宅捜索が実施されたこともあります。本物のサトシ・ナカモトであれば110万BTCを保有する事となるため、脱税の容疑がかけられたことによるものでしたが捜査の結果、彼がサトシ・ナカモトである証拠は発見されずに終わりました。

以降、各メディアにも検証や過去の言動の洗い出しがされましたが彼の捏造であると結論づけられています。

ニック・サボ

サボ氏は「スマートコントラクト」の概念を構想・開発した人物として知られています。

彼は1998年に「ビットゴールド」と呼ばれる分散型デジタル通貨のメカニズムを設計しており、ビットコインアーキテクチャの直接の先駆者とされています。

スマートコントラクトについてもビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)が誕生する前に構想しており、暗号化された安全なプロセスに基づくマーケットプレイスや当事者同士での取引という概念を生み出しています。

サボ氏は自身がサトシ・ナカモトであるという噂については否定していますが、彼のビットゴールドの概念がビットコイン(BTC)に組み込まれたのは間違いないといえるでしょう。

ドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモト

サトシ・ナカモトとして顔写真が最も出回る人物がドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモト氏です。おそらく暗号資産(仮想通貨)に関心をもつ人は彼の顔を何度か見ているはずです。

サトシナカモトの顔

彼は日本で生まれ、10歳の時にカルフォルニアへ移住しています。23歳の大学卒業時に現在の名前に改名しており、アメリカ内でエンジニアとして活動していました。

ビットコイン(BTC)誕生時にフォーラムに参加していた「サトシ・ナカモト」という名前の人物であることから、彼がビットコイン(BTC)生みの親ではないかとされていましたが、彼自身は「私はもはや関係ないので議論できない」と語っているほか、P2P財団宛にサトシ・ナカモト自身のアカウントから「私はドリアン・ナカモトではない」と発信されたことから表向きには否定されています。しかし、家族に対するメディア取材では彼は何か秘密の仕事をしていたとも語られており、真偽は分からないままとなっています。

サトシ・ナカモトは一人ではない?

サトシ・ナカモトの正体は10年以上世界中で探されていますが未だに掴めていません。

サトシ・ナカモト自身が書き込んだプロフィールには日本に住む37歳の男性だと書かれています。

しかし彼が使う英語には日本であまり用いられないイギリス英語的な表現が多用されていることや、活動のタイムスタンプからイギリス・アメリカ東部・アメリカ太平洋沿岸地域のタイムゾーンであるという分析から、サトシ・ナカモトは1人の人間ではなく複数のプログラマーチームであるという説も生まれました。

実際にビットコイン(BTC)を作成するには高度なプログラミングスキルや経済学、暗号理解、ネットワーク分析を行う必要があり、1人の人間が行うには限界があります。

上記に名前が挙がった人物の中にも実はメンバーが紛れ込んでいるかもしれません。

サトシ・ナカモトはビットコイン(BTC)の開発から去る際に「別にやることがある」と残しており、今後の新しい技術の誕生にもかかわる可能性もあります。

ビットコイン(BTC)に次ぐ暗号資産(仮想通貨)の開発が世界中で行われていますが、ビットコイン(BTC)の価値に追いつくものは未だ開発されていません。製作者が不明であることによって製作者の影響を受けない運営が可能になっていることもビットコイン(BTC)が親しまれる一つの要因かもしれません。

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