DeFi(ディーファイ)とは? 仕組みや特徴を解説!
DeFi(Decentralized Finance)は、ブロックチェーン技術を活用して分散型金融サービスを提供する新たなアイディアです。
従来の中央集権型の金融システムに比べ、DeFiは透明性、アクセス性の面で優れており、世界中の人々に新たな金融サービスを享受する機会をもたらしています。
本記事では、DeFiの基本原則と利点、将来の展望について詳しく解説します。
DeFiとは
DeFiは、ブロックチェーン技術を活用して金融サービスを提供する新しい概念です。中央集権化された金融機関を介さずに、プログラムのみで運営されるスマートコントラクトを通じて資金を管理し、貸借、トレード、保険、予測市場などのプラットフォームとして機能しています。
国や地域によっては金融機関のシステムが不安定で、信用して利用できない場合があります。今後はそういった国や地域でシステム的に取引が実行され、コードを検証可能なDeFiの活用が期待されています。
DeFiの基本的な仕組み
DeFiは、中央集権的な金融機関や第三者の介在なしに金融サービスを提供するための技術です。スマートコントラクトによってシステム的に取引を実行することで人の手によるミスや悪意を排除することが可能になっています。取引はブロックチェーン上で行われることで金融サービスの透明性も保たれ、地政学的な制約やシステムの安全性が担保されています。
日本などの先進国では金融インフラが整っており、上記のメリットを実感するのが難しいかもしれませんが、発展途上国ではアンバンクトと呼ばれる銀行口座を持たない、もしくは持てない人々が世界人口の4人に1人の割合で存在しています(2018年 世界銀行調べ)。
銀行口座を持たないアンバンクトでも携帯電話を持っている割合は多く、アンバンクト人口の3分の2に達しています。こうした人々にとってはDeFiが唯一の金融サービスと繋がることができる画期的なプロジェクトとなっています。
もちろん先進国であってもメリットを受けることが可能で、DeFiの開発はオープンソースで行われていることから、開発者や企業が新たなサービスを作る際の基礎として応用することも可能となります。既存の金融システムと比べて、ユーザー同士が直接取引を実行することにより手数料の削減や取引速度といったブロックチェーンの基本的な利点を使うことができます。
DeFiの主な特徴
DeFiの主な特徴の一つは、中央集権化された金融機関を介さずに資金を管理することです。取引を当事者同士で完結させることにより、悪質な取引所を介することなく金融システムにアクセスできます。
また、DeFiのプラットフォームは本人認証などを必要とせず、誰でもアクセスして利用することができます。所属する国や地域の事情により金融サービスを受けることができない人々をグローバルな市場へつなぐ役割も期待されています。
DeFiのもう一つの特徴は、ユーザーによる流動性の確保にあります。
中央集権的な既存の金融機関では、為替・暗号資産(仮想通貨)に関わらず通貨の流動性を保つためにユーザーから預かった資金をプールして利用しています。DeFiでは流動性の確保もユーザーがそれぞれ提供しており、それによる報酬の獲得といった資産の新たな活用方法となっています。
DeFiの利用例
現在DeFiは急速に成長し、暗号資産(仮想通貨)分野での注目を集めています。中でも最も人気のあるプロジェクトのジャンルはDEX(分散型取引所)です。DEXは中央集権型取引所と同様のサービスを提供しますが、ユーザーは自分自身の資産を自身で管理することで高い安全性と低い手数料を実現しています。
また、暗号資産(仮想通貨)の貸出・借入が可能なプラットフォームもDeFiの重要なトレンドとなっています。ここではユーザーは、暗号資産(仮想通貨)を預け入れて利息を得ることができるだけでなく、その暗号資産(仮想通貨)を担保として、他の暗号資産(仮想通貨)を借りることも可能となっています。長期で保有したい通貨がある中で、他の通貨の取引を始めたい時などに機会を損なうことなくアクティブな運用を可能としています。
面白い取り組みとしては、保険分野への転用も実現しています。ケニアをはじめとした発展途上国の農家をターゲットにした農業保険サービスが2023年から実現しており、日本のJA共済などが提供する保険サービスと同様の天災等による収穫不足が発生した際の保証が受けられます。
従来の農業保険では人の手で査定され保険金を受け取るまでのタイムラグが発生していましたが、このサービスではスマートコントラクト上に気象データ等の条件がトリガーとして設定されることで、明確な支払い要件の定義と、タイムリーな保険金の支払いが可能になっています。DeFi上で提供される保険に加入することにより、金融機関の利益分を保険料の削減と保険金の増額に回すことが可能なため、発展途上国の人々にとってより良い金融サービスを提供することが可能になっています。
一方でDeFiはまだいくつかの課題を抱えています。プラットフォームのセキュリティについては常にアップデートを進める必要があることや、ユーザー起因の不確実なリスクが顕在化する可能性もあります。DeFiは未だ開発段階といえる分野のため、今後の普及に向けてWeb3業界全体での後押しが必要といえるでしょう。
DeFiのメリット・デメリット
DeFiは、取引における透明性と信頼性、高い利便性、グローバルなアクセス、イノベーションの促進など、多くのメリットを持っています。スマートコントラクトによって実行される取引は透明性や信頼性が高く、オープンなプロトコルによって誰でも参加可能です。
金融システムの制約がある発展途上国の人々にも金融サービスを展開することが可能な技術としてのメリットがあります。
デメリットとしては、セキュリティリスクが最も顕著であり、スマートコントラクトのバグやハッキングにより資金が失われる可能性があります。また、価格の不安定性もデメリットの一つであり、DeFi市場は非常に変動的です。暴落や価格操作のリスクがあるため、投資家やユーザーは慎重な取引を心掛ける必要があります。
さらに、DeFiは従来の金融システムとは異なるため、規制の不確実性が存在します。現行の金融規制が適用されにくい場合があり、規制当局の関与や法的な問題が生じる可能性もあります。
DeFiでは中央集権的な金融機関が介在しないため、メリット・デメリットはすべてユーザー自身が負うこととなります。DeFiを利用する際は情報を精査し、自己の責任で行うことが大切です。
DeFiの将来の展望
DeFiは現在急速に成長しており、今後の開発が期待される分野です。DeFiの利用者は増え続けており、新しいプロジェクトやプロトコルが次々と登場しています。今後、より多くの金融サービスがDeFi上で提供され、金融システム全体が分散化される可能性があります。
また、スケーラビリティの問題やセキュリティの懸念など、現在の課題も存在します。しかし、ブロックチェーン技術の開発や法規制の整備などによりこれらの課題は克服される可能性があります。
DeFiは、分散型金融の革新的なテクノロジーであり、金融の未来を形作る可能性を秘めています。中央集権化された金融システムに比べてより透明で効率的な取引が可能となり、新たな金融サービスの開発を進める手段となるかもしれません。
DeFiという概念が誕生してから未だ時間が経っていないため、今後どのように開発が進められていくのか楽しみな分野の1つです。
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