ニアプロトコル(NEAR)とは? 特徴と仕組みを解説

投稿者: Akira.Ito 投稿日:

ニアプロトコル(NEAR)とは、独自のブロックチェーンネットワークを構築するL1の暗号資産(仮想通貨)の1つです。
ネットワークの信頼性が高く、ニアプロトコル(NEAR)上のサービスの中には国内の大手金融グループから出資を受けているものや、海外の行政機関が認可するサービスの基幹システムとしても広く認められています。

この記事では、暗号資産(仮想通貨)投資が初めての方でも分かりやすい内容で、ニアプロトコル(NEAR)の特徴と仕組み・将来性について紹介していきます。

ニアプロトコル(NEAR)とは

ニアプロトコル(NEAR)は、2020年にメインネットが公開された暗号資産(仮想通貨)です。
開発はスイスを中心に活動するニア財団が行っており、現在もネットワークのメンテナンスやガバナンスの管理を担っています。

2021年にはニアプロトコルエコシステム基金が立ち上げられ、150,000,000ドルの開発資金を調達しました。

ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)と並んで、「イーサリアム(ETH)キラー」と呼ばれる暗号資産(仮想通貨)で、スマートコントラクトの実装によりネットワーク上にDAppsを開発することが可能となっています。
Web2とWeb3の障壁を取り除くことを目的にしており、Web2で一般的に使われるRustやAssemblyScriptといったプログラミング言語でDApps開発を行えるため、ネットワーク上には様々なDAppsが展開されています。

ニアプロトコル(NEAR)の特徴

ニアプロトコル(NEAR)の特徴として、ネットワークの処理速度の速さと、ブロックチェーンの相互運用による利便性の高さが挙げられます。
ここでは、それぞれの特徴を実現するための技術として、「Nightshade」と「Rainbow」を紹介していきます。

シャーディング機能「Nightshade」

「Nightshade」とは、ニアプロトコル(NEAR)のスケーラビリティを向上させるためのシャーディングを実行するために搭載された機能です。

通常のブロックチェーンネットワークは1つのチェーンにすべての取引を記録するため、取引量が多くなることで承認作業と記録作業の処理能力に限界が訪れていました。この問題を解決するためにニアプロトコルではシャーディング機能の「Nightshade」が実装されました。
シャーディング機能により、ネットワーク全体をシャドーと呼ばれる複数のネットワークに分割して、それぞれのシャドーが並列して取引の処理をおこなうことが可能になっています。

ブリッジ機能「Rainbow」

ブリッジ機能とは、異なるブロックチェーンネットワーク間での資産移動を可能にする機能です。

ニアプロトコル(NEAR)に搭載された「Rainbow」は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といったメジャーなネットワーク以外にも、ポルカドット(DOT)、コスモス(ATOM)、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)といった様々なブロックチェーンネットワークとの相互運用性を持たせています。
多くのブロックチェーンとのブリッジ機能を持つことで、各ブロックチェーン上で稼働するDAppsの移植も可能となっており、ニアプロトコル(NEAR)の実用性を高めています。

Orderly Network

Orderly Networkは、日本の大手金融グループである野村ホールディングスの暗号資産(仮想通貨)関連子会社であるレーザーデジタル社から資金調達を行ったDeFiプロジェクトです。

DEX(分散型取引所)への流動性を提供することを目的に作られたレンディングプラットフォームで、ブリッジ機能をRainbowを活用して複数のチェーン上に構築されたDEXと連携することが可能です。
現在は20以上のDEXへ流動性を提供しており、その報酬として得た暗号資産(仮想通貨)をステーキングユーザーへ分配しています。

Sweatcoin

Sweatcoinは歩数に応じてポイントや暗号資産のSweat Economy(SWEAT)を獲得することができるWalk to EarnのDAppsの1つです。

歩いて稼ぐというコンセプトから健康促進効果が期待され、イギリスの行政機関である国民健康保険サービス(NHS)がパートナーとして参加しています。行政機関が暗号資産(仮想通貨)プロジェクトに参画するのは非常に稀で、ニアプロトコル(NEAR)のネットワークの信頼性向上にもつながっています。

ニアプロトコル(NEAR)に関するよくある質問

ここではニアプロトコル(NEAR)を利用する際や、これから投資を行う際に気なる点をFAQ形式で紹介していきます。

ニアプロトコル(NEAR)は値上がりしますか?

暗号資産(仮想通貨)であるニアプロトコル(NEAR)には価値の裏付けとなる資産が存在しないため、将来の価格を予想するのは困難です。
一般的に暗号資産(仮想通貨)の価格は、エコシステムの拡大や新たなユースケースの開発によって上昇する場合が多くありますが、逆にシステムの欠陥やハッキング被害により価格が下がる場合もあります。

ニアプロトコル(NEAR)は安全ですか?

ニアプロトコル(NEAR)は2024年9月時点でハッキングや大規模な流出を起こしていません。
しかし、将来的にシステムの欠陥が見つかる可能性や、ニアプロトコル(NEAR)を保管するウォレットがハッキングされる可能性もあるため、情報収集を欠かしてはいけません。

ニアプロトコル(NEAR)の将来性は?

ニアプロトコル(NEAR)は高速ネットワークのレイヤー1ブロックチェーンとして、スイ(SUI)やソラナ(SOL)、アプトス(APT)といった「イーサリアム(ETH)キラー」と呼ばれるネットワークと競合しています。
現状、これらのチェーンと比較して、ユーザーの獲得やエコシステムの拡大に出遅れていますが、高い効率性と互換性を持つことから、将来的に新たなユースケースの創出が期待されています。

まとめ

ニアプロトコル(NEAR)は、シャーディング機能「Nightshade」とブリッジ機能「Rainbow」を備え、効率性と互換性を高めています。これにより、他のブロックチェーンとの相互運用が容易になり、スケーラビリティの課題も解決しています。

汎用性に優れていることから既に様々な場所で活用されており、今後の開発に注目が集まるプロジェクトの一つです。

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