トンコイン(TON)とは?特徴と仕組み・価格や将来性を解説

投稿者: Akira.Ito 投稿日:

トンコイン(TON)

トンコイン(TON)とは、世界中で利用されるチャットツールであるTelegram(テレグラム)が開発・発行した暗号資産(仮想通貨)です。
Telegram内での送受金が可能なことに加えて、通常の送受金についても超高速で処理可能な仕組みが搭載されています。

この記事では、暗号資産(仮想通貨)投資が初めての方でも分かりやすい内容で、トンコイン(TON)の特徴と仕組み・価格や将来性について紹介していきます。

トンコイン(TON)とは

トンコイン(TON)とは2019年にTelegram開発者のDurov兄弟によって発行された暗号資産(仮想通貨)の1つです。
Telegramの関連銘柄として注目が集まり、トンコイン(TON)発行当初から多くのDAppsが開発されるなど、順調にエコシステムを拡大していきました。
2020年にSEC(アメリカ証券取引委員会)の規制を受けたことで、公式にTelegramはトンコイン(TON)の運営から離れ、2021年以降はトンコイン(TON)のファンによって結成された「TON財団」が運営を引き継ぐこととなりました。また、その際に名称が「Telegram Open Network 」から「The Open Network」へ変更されています。

トンコイン(TON)の特徴

トンコイン(TON)の最大の特徴は、その高速な処理能力と優れたスケーラビリティにあります。
トンコイン(TON)は大規模な取引や複雑なスマートコントラクトを低い取引手数料で処理することが可能となっており、多くの暗号資産(仮想通貨)が抱えるスケーラビリティ問題を解決するための仕組みが搭載されています。

ここではトンコイン(TON)の特徴について以下の2点を詳しく解説していきます。

シャーディング

トンコイン(TON)は取引の承認作業を行うバリデーターをグループ(シャード)化しており、それぞれのグループ(シャード)が並列して取引の承認を行う「シャーディング」と呼ばれる方法を採用しています。
シャーディングは取引の処理を複数のグループ(シャード)で並列処理することで、それそれのバリデーターへの負荷を軽くすると同時に1取引あたりの処理時間を大幅に短縮することが可能です。トンコイン(TON)に関しては1取引の承認にかかる時間が約6秒といわれており、現在流通している暗号資産(仮想通貨)の中でもトップクラスのスピードを誇っています。

シャーディングはもともとイーサリアム(ETH)のスケーラビリティ問題を解決するために考案された処理方法の1つで、現在トンコイン(TON)以外にもアイオーエスティー(IOST)やニア(NEAR)といった暗号資産(仮想通貨)に実装されており、今後も処理速度の向上を目指すプロジェクトや暗号資産(仮想通貨)でも採用されるかもしれない仕組みの1つです。

TONブロックチェーン

トンコイン(TON)は独自の「TONブロックチェーン」というチェーンを持っており、その中には「マスターチェーン」、「ワークチェーン」、「シャードチェーン」という3つの段階の処理機能が備わっています。

マスターチェーンはTONネットワーク全体の調整を行っており、バリデーターとステーキング報酬の調整、ワークチェーンとシャドーチェーンのハッシュ管理を行っています。

ワークチェーンはDAppsやスマートコントラクトや取引の実行といったブロックチェーンの主力といえる部分を担っています。

シャードチェーンは上記で紹介したシャーディングの実行を担っており、各グループ(シャード)間の取引処理の管理を行い、シャーディングの効率化を担当しています。

これらのチェーンがそれぞれ異なる役割を行うことで、取引処理時間の超高速化を実現しています。

トンコイン(TON)とTelegram

Telegramの開発者であるDurov兄弟によって開発されたトンコイン(TON)は、2021年にTON財団へ運営が引き継がれた後もTelegramとの連携は続いています。
特にTelegram上での決済手段の1つとしてTONブロックチェーンの暗号資産(仮想通貨)が採用されていることは非常に有名で、Telegramのアカウントが分かる相手に対してはウォレットアドレスの共有が不要で簡単に送受金可能なサービスを提供しています。

また、2024年3月からはTelegram上の広告プラットフォームでTelegramのチャンネル所有者がTONブロックチェーン上の暗号資産(仮想通貨)で報酬を受け取ることが可能になっており、Telegramと連携したユースケースの拡大が続いています。

トンコイン(TON)のエコシステム

トンコイン(TON)は独自のTONブロックチェーン上で様々なDAppsが開発されており、ステーキングプラットフォームやブリッジ機能といった基本的なものや、「○○.ton」のようなトンコイン(TON)独自のドメイン発行サービスも提供されています。

また、多くのDAppsはTelegramと連動しており、従来の暗号資産(仮想通貨)やDAppsに抵抗があった層のユーザーでも意識することなく、一般的なアプリの様に利用することが可能です。
公式発表では既に8億人以上のユーザーを抱えるTelegramとの連携により、更に魅力的なDAppsやサービスが開発されることで、今後もエコシステムの拡大が予想されます。

トンコイン(TON)の将来性

Telegramによる認知の拡大

トンコイン(TON)はTelegramとの連携により発行から短期間で強い人気を得ることができました。
今後もTelegramが抱える8億人以上のユーザーへアプローチすることにより、更にトンコイン(TON)の認知が広がることも考えられます。

テザー(USDT)の発行

2024年4月にはステーブルコインとして時価総額1位のテザー(USDT)がTONブロックチェーン上で発行されました。
テザー(USDT)はドルペックされた暗号資産(仮想通貨)として利便性が高く、暗号資産全体の時価総額でも、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)に次ぐ3位となっており(2024年6月現在)、TONブロックチェーン上で取引が増加することで、トンコイン(TON)の認知拡大にもつながることが予想されます。

また、テザー(USDT)ど同時にテザーゴールド(XAUT)もTONブロックチェーン上で発行されており、これはETHチェーンに続く2つ目のチェーンとなります。

手のひらスキャン

トンコイン(TON)の開発コミュニティである「TON Society」では現在、手のひらをスキャンすることでトークンを配布するプロジェクトの開発が進んでいます。
手のひらをスキャンすることでオンチェーン・ボットではない(人間である)証明を行い、そのインセンティブとして、総額100万TONが各ユーザーに分配されるというものです。
似たプロジェクトに虹彩スキャンによるトークン配布を行うワールドコイン(WLD)があり、このプロジェクトは2024年6月時点で500万以上のユーザーを獲得しています。

手のひらスキャンプロジェクトが正式にローンチされることで、トンコイン(TON)の更なる認知向上と利用者の拡大が予想されます。

まとめ

トンコイン(TON)は世界最大規模の利用者数を誇るTelegramと深い関係にある暗号資産(仮想通貨)です。Telegram内での送受金やDAppsの利用などが可能なことから、これまで暗号資産(仮想通貨)に触れる機会がなかった方でも自然に利用することができるかもしれません。

テザー(USDT)のチェーンとしての採用や、手のひらスキャンプロジェクトなど、Telegram外での活用の幅も広がっており、今後の発展が楽しみな暗号資産(仮想通貨)です。

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