暗号資産(仮想通貨)を利用するうえで、安定した価格を保つステーブルコインの存在は非常に便利です。現在(2023年11月)、ステーブルコインの中でもUSDT(テザー)は時価総額第1位となっており、暗号資産全体で見ても第3位に着くほどの人気を誇っています。USDT(テザー)は米ドルにペックされた通貨として使い勝手の良さから興味のある方も多いかと思います。

この記事では、USDT(テザー)の特徴や、日本でUSDT(テザー)を利用するにはどうすればよいのかについて解説していきます。

USDT(テザー)とは

USDT(テザー)とは、アメリカのTether Limited社が発行する暗号資産(仮想通貨)です。

米ドルにペックされたステーブルコインであるため、米ドルに対してボラティリティが小さく、使い勝手に優れた暗号資産(仮想通貨)です。

米ドルに対しての価値の変動が少ないため、多くの取引所で基盤通過として取り入れられており、主に米ドルの代用通貨として運用されています。

USDT(テザー)は1企業が発行する暗号資産(仮想通貨)でありながら、2023年の10月現在、スイスの一部地域では法定通貨として採用されており、流動性・実用性・信頼性が非常に高い通貨であるといえます。

USDT(テザー)の特徴

USDT(テザー)の主な特徴は、

・米ドル連動型のステーブルコイン

・複数のチェーンで利用可能

・法定通貨として採用されている

の3つとなります。それぞれ詳しく解説します。

米ドル連動型のステーブルコイン

USDT(テザー)は米ドルに連動したステーブルコインです。

ステーブルコインの価格を安定させるには大きく分けて、①法定通貨担保型、②暗号資産(仮想通貨)担保型、③商品担保型、④無担保型の4つの方法がとられます。

USDT(テザー)はこの中でも①の法定通貨担保型という運用方法を採っており、Tether Limited社が1USDTを発行する際に1USDを裏付け資産として担保しています。

基本的には米ドルと連動するUSDT(テザー)ですが、急激に需要と供給のバランスが崩れるなどすると、一時的にペックが外れて米ドルとの間に乖離が生じてしまう事もあります。ほとんどの場合、時間の経過によって価格が安定して元に戻ることから、乖離を利用したアービトラージを行うトレーダーも存在しており、2020年には数分間で約430万円の利益を出したトレーダーがニュースになったこともありました。

トレードイメージ

複数のチェーンで利用可能

USDT(テザー)は初期段階ではOmniと呼ばれる規格で運用されていました。2019年以降は取引所やウォレット規格の受け入れ体制の点で最もメジャーなERC20規格での発行も行っています。

ERC20での発行によって爆発的にUSDT(テザー)の需要が高まったことで、当時イーサリアムネットワークで問題視されていたスケーラビリティ問題に直面することとなりました。そこでUSDT(テザー)はTRC、AVAX、EOSなどイーサリアムキラーと呼ばれるチェーンを用いてネットワークの圧迫を分散化させました。

現在(2023年9月)では暗号資産(仮想通貨)全体で時価総額第3位、取引高第1位となっているUSDT(テザー)ですが、今後の需要の高まりや、新たなチェーンネットワークの開発によっては更に多くのチェーンに対応するかもしれません。

法定通貨として採用されている

USDT法定通貨イメージ

USDT(テザー)を法定通貨として採用する都市も存在します。

北欧のスイスにあるルガーノ市ではUSDT(テザー)をはじめとしてビットコイン、スイスフラン連動ステーブルコインのLVGAが正式に法定通貨として流通しています。企業が決済手段として取り入れる以外にも公共サービス、納税においてもUSDT(テザー)での支払いを受け入れています。

ルガーノ市ではブロックチェーン技術を用いたデジタル市債の発行を世界で初めて行ったことでも有名で、現在各国で検討されているCBDC(中央銀行デジタル通貨)の実験的なモデルケースとしても注目されています。

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USDT(テザー)のメリット

USDT(テザー)を利用する上でのメリットとしては、

・ボラティリティが小さい

・取引量が多い

・決済手段として優れている

の3つとなります。それぞれ詳しく解説します。

ボラティリティが小さい

USDT(テザー)はステーブルコイン:Stablecoinの名前の通り、Stable=安定した暗号資産です。世界の基軸通貨となっている米ドルと連動することにより、USDT(テザー)を利用して自身の資産価値を一定に保つことも可能となります。

USDT(テザー)や暗号資産(仮想通貨)全体に対しての信用問題が起こると一時的に米ドルとのペックが外れる場合がありますが、過去の事例では一時的な乖離で収束しており、上記で述べたようにアービトラージを狙うトレーダーにとってはトレードチャンスともなっています。

取引量が多い

USDT(テザー)は世界中の大型取引所で保有資産の基準として利用されています。ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)を購入する際にも利用されています。

流動性が非常に高い通貨であるため、USDT(テザー)自体を購入・売却を安定して行えることも需要が高い一因となっています。

決済手段として優れている

USDT(テザー)は一般的な暗号資産(仮想通貨)と異なりTether Limited社が中央集権体制によって管理しています。1USDTに対して1USDが裏付け資産として準備されていることからビットコインやイーサリアムなどの暗号資産よりもプリペイド式の電子マネーに近い利用が可能です。

各国で検討されているCBDC(中央銀行デジタル通貨)の分野でも、USDT(テザー)の技術を応用しようという国も存在しており、決済手段としてのUSDT(テザー)には一定の評価がされています。

USDT(テザー)のデメリット

USDT(テザー)のメリットを紹介しましたが、併せて考えなければいけないのがデメリットです。USDT(テザー)が持つデメリットで最も大きいものがカンターパーティーリスクです。

USDT(テザー)は価格の安定のために裏付け資産として米ドルが用いられていますが、実際にその運用を担っているのがTether Limited社です。あくまでもTether Limited社は一企業であることから内部の資金の動きが不透明な部分が存在します。

過去には裏付け資産の運用方法を巡っての信用問題も噴出しており、資金管理の実態によっては米ドルと連動することが難しくなることが考えられます。

USDT(テザー)に限ったことではありませんが、特に暗号資産(仮想通貨)を扱う上ではメリット・デメリットを把握し、自己責任での利用が大切です。

日本でのUSDT(テザー)利用に関して

便利なUSDT(テザー)ですが、日本国内で利用するにはどうすればよいのでしょか。

令和4年の資金決済法改正により、国内においてはステーブルコインは管理方法によって「暗号資産型ステーブルコイン」と「デジタルマネー類似型ステーブルコイン」の2種類に大別されています。
「暗号資産型ステーブルコイン」とはアルゴリズム管理によって、価値を安定化させる管理方法を採るもの(DAI、USTなど)で、「デジタルマネー類似型ステーブルコイン」とは法定通貨の価値と連動した価格で発行・償還がされるもの(USDT、USDCなど)と位置づけられています。
日本国内においてUSDT(テザー)は、法定通貨と連動した価格で発行され発行価格と同額で償還を約する、いわゆる「デジタルマネー類似型ステーブルコイン」であり、「電子決済手段」として分類され、その売買等の取引サービス提供には電子決済手段等取引業の登録が必要となることから、現在の日本国内において暗号資産交換業のライセンスを持っている取引所では取り扱われていません。

国内ではDAppsを経由することでUSDT(テザー)を利用することもできますが、最も簡単なUSDT(テザー)の利用方法として、プライベートウォレットを通じた利用方法があります。

Meta Mask(メタマスク)やTrust Wallet(トラストウォレット)といったプライベートウォレットには「スワップ」と呼ばれる機能が搭載されており、保有する暗号資産(仮想通貨)とUSDT(テザー)を交換することが可能です。

注意点としては、スワップで交換できない通貨があるという事です。

スワップはプライベートウォレットで保有する暗号資産(仮想通貨)をDeFiを通して希望の暗号資産(仮想通貨)に交換するというものであるため、DeFiで扱われない通貨や取引ペアの存在しない交換はできません。

USDT(テザー)を利用する際には事前に何の通貨でスワップが可能かを確認してから行うのが無難です。

MetaMask(メタマスク)とは?作成方法・使い方をご紹介

【図解付き】Trust Wallet(トラストウォレット)登録方法から使い方まで徹底解説!

まとめ

今回はUSDT(テザー)について特徴やメリット・デメリット、入手方法を解説しました。USDT(テザー)は暗号資産(仮想通貨)の中で時価総額第3位の通貨で便利に利用することができます。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とも結びつきが強く、今後も決済手段としての発展が予想される通貨ですが、デメリットもしっかりと理解した上での利用が大切です。

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